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寝たきりになる人を作らない

私は医師になって30年以上、開業医として20年以上を過ごしてきた現役の整形外科医師です。

整形外科は、動くための身体の部分、背骨や手足の運動器と言われる、骨、関節、筋、神経、血管を扱います。

寝たきりになった方に対しては、私達、整形外科医の出番はないのかなと思います。

ですから、整形外科医としては、寝たきりになる人を作らないことが使命と考えています。
寝たきりでないということは、きちんと立って歩けるということ。

そのためには
膝や股関節、足関節、足など、下肢に痛みがないこと。
腰や背中の痛みがないこと。
下肢の関節の動きがよく、バランスがとりやすいこと。
下肢や体幹の筋力が十分あり、身体を安定して支えられること。
が必要です。

背骨や股関節の骨折は、体力を奪い、筋力を低下させ、立位や歩く力を奪います。
骨折予防のため、骨粗鬆症の人を見つけ、治すことも重要です。

歩くことと健康

私は、今まで学んできた整形外科を中心とした医学から、
人間は、本来、歩くようにできている、歩く動物としてできていると考えています。

運動器の面から、歩くことと健康の関係を考えてみます。

人は、長い時間の進化の中で、二足で立ち、歩くようになって、両手が使えるようになり、
道具を発明し、進化してきました。

身体の構造を見ると、両方の下肢、大腿、膝、足は丈夫な構造です。
上肢の、肩から上腕、肘、前腕、手関節、手指は脆弱な構造です。

これは、歩いて移動し、狩猟をしたり、木の実を採取したり、貝を拾ったりするために適した構造です。それにより、人は森を出て、広い世界、草原に出ました。

今でもアフリカに狩猟民族がいますが、彼らには腰痛という言葉はないそうです。

解剖学から見た人の身体の作りは、立って歩くようにできています。

一方、文明の進歩により、農業、工業、現代のサービス業の時代と変遷し、短期の間に、人の身体の使い方を変えてきました。
生活は便利になったものの、本来の使い方とは異なる身体の使い方をするようになりました。

農業により、安定して、主食を得られます。しかし、作業は、立位で、腰を曲げます。腰を曲げ続けることもあります。あまり動かない、一定姿勢であり、背骨を曲げます。これは、頚の痛みや、腰痛を起こします。骨への刺激も少なく骨粗鬆症を起こします。腰痛は農業から起こったといえるでしょう。

産業革命を経て、工業の時代は、工場で立位を続けたと思います。また腰も曲げたことでしょう。これも、腰痛や頚の痛みを起こします。動かないことで骨への刺激も少なく骨粗鬆症を起こします。

現代は、物を作る作業もありますが、事務的なサービス業では、座る仕事が多いと思います。これも、一定姿勢であり、下肢をあまり使わないので、腰や頚の負担が大きいので、腰痛や頚の痛みを起こします。骨への刺激も少なく骨粗鬆症を起こします。下肢筋力や体力の低下を起こします。

退職しても、家の中に閉じこもり、テレビばかり見ていたり、長くパソコンやスマフォに向かうことは、一定姿勢であり、頚や腰の痛みを起こします。骨への刺激も少なく骨粗鬆症を起こします。下肢筋力や体力の低下を起こします。歩かないことにより、歩けなくなります。

その結果が、頚や腰の痛み、下肢や体感筋力の低下による転倒と骨粗鬆症による骨折を起こし、人の体力、生命力を奪う結果になります。

歩かないことによる運動不足は、運動器だけでなく、全身の内臓の不調も起こします。
まず、栄養過多により肥満を起こします。
肥満になると、糖尿病や、高脂血症を起こし、血管に影響が出ます。
動脈硬化を起こし、血圧が上がります。
心臓の負担が増えます。
心臓が弱くなれば、動けなくなりますので、ますます、体力が落ちます。
脳の血管の異常から、脳出血や脳梗塞が起これば、身体の感覚や動きの麻痺を起こし、動けなくなりますし、痛みやしびれが起きます。さらに意識や言語など脳の働きに異常を起こすこともあります。

腎臓の血管の異常から、腎臓の働きが悪くなると、老廃物が身体に溜まり、体調が悪くなります。透析が必要になることもあります。

糖尿病は神経や骨にも悪影響を与えます。手足の先にしびれが起きます。骨の質が落ちて、骨粗鬆症を悪化させ、骨折が起きやすくなります。

肥満により、体重が増えるので、下肢の関節への負担が増え、関節炎が起きやすくなります。下肢の痛みがあると、動かなくなるので、ますます体重が増え、肥満が悪化することになります。

歩かないことにより、脳への、身体からの動きによる刺激が減ると、脳の活動も減り、脳の働きが衰えます。これは心の不調を起こしたり、脳の感じる痛みを増すことに繋がります。

立って歩くように作られた人間は、健康維持のため、歩かなければいけないのです。

結局、人は、歩かないことにより、歩けなくなるのです。

死ぬ直前まで、健康で、自由に歩く

私は死ぬ直前まで、健康で、自由に歩くことができる人生を送りたいと思っていますし、それが人間として、一つの望ましい生き方かと考えています。

認知症にならず、一人で歩くことができれば、自分で身の回りのことができ、自立して生活できます。

認知症にならず、内蔵と骨格、運動器が健康で、死ぬ直前まで歩いている生活を目指す。

そのために必要な情報を集め、考えて書いていきたいと思います。

少しでも、多くの人の役に立てれば良いなと思っています。

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