乳卵菜食と地中海食のダイエット、中性脂肪、コレステロールへの効果

ダイエットの基本は食事療法

ダイエットの基本は食事療法です。

中性脂肪やコレステロールが高い場合も、生活習慣のうち、食事の内容が大きく影響します。

ダイエットの食事療法にはいろいろありますが、ここでは、乳卵菜食と地中海食を3ヶ月間行い、体重、BMI, 総脂肪量の減少に有効だったという2017年の報告
Sofi, F et al; Circulation 2918; 137 : 1103-1113 2017 Feb 14;

についてまとめてみます。

乳卵菜食

乳卵菜食は、肉と魚を食べずに、卵と乳製品を食べるものです。豆類、ナッツが多いという特徴があります。

乳卵菜食は、菜食主義であるベジタリアンのひとつで、ミルク、チーズ、卵は許容するもので、ラクト・オボベジタリアンと言われます。

肉、魚だけでなく、卵や乳製品も食べないと、ビタミンB12が不足するため、貧血につながります。

その点、菜食主義の中では、乳卵菜食は比較的安全なダイエット法だと言えます。

地中海食

地中海食は、オリーブオイルを用いた野菜主体の料理で、オリーブオイル、食物繊維など、多くの植物性栄養素を食べることになります。

乳卵菜食と地中海食では、シリアル、野菜、果物、ジャガイモ、菓子、オリーブオイルなどを摂取することについては共通しています。

乳卵菜食と地中海食のダイエット効果の比較

18-75歳の BMI25以上(肥満ですね)で、総コレステロール190以上、LDL-コレステロール115以上 中性脂肪150以上、血糖111-125の1つ以上に合致する人が対象でした。(さほど、重症ではない方々ですね)

118例、平均51歳、女性78%と女性が多いですね。

乳卵菜食 60人、地中海食 58人と割付け、3ヶ月どちらかを行い、その後食事方法を他方へ変更しました。

3ヶ月後の体重、BMI, 体脂肪量変化で評価しています。

その結果は

体重は乳卵菜食-1.88kg 地中海食 -1.77kg
BMIは 乳卵菜食 -0.64 地中海食 -0.67
体脂肪量は 乳卵菜食 -1.23kg 地中海食-1.46kg

共に有意な減少で、両群では差なし。

乳卵菜食と地中海食、ともにダイエットに有効だということです。
また、両者は優劣つけがたいという結果です。

乳卵菜食ではLDL-コレステロール, ビタミンB12, 尿酸が有意に減少
地中海食では中性脂肪が有意に減少

という特徴がありました。

乳卵菜食はコレステロールを減らす。
地中海食は中性脂肪を低下させる。

と言えそうです。

乳卵菜食と地中海食も、心血管危険因子の軽減に役立つ可能性があります。

一方、乳卵菜食ではビタミンB12が減ったということがあり、
この点では、肉、魚も食べる地中海料理の方が、よいのかと考えます。

結局、野菜主体だが、何でも食べる方が安全だということでしょう。

私は料理が趣味で、イタリアンもよく作ります。

イタリア家庭の野菜料理 という本を持っていますが、現在入手できる下記の本も同じ著者です。

共著者の横山氏は内科医です。

南イタリアの美味と健康にあふれた食事―地中海型食事の原点 – 2009/11/1
横山 淳一 , ダニエラ オージック (著)

私は整形外科医ですが、関節リウマチ、痛風、骨粗鬆症の患者さんの血液検査をする時、コレステロールや中性脂肪も測定します。 中性脂肪のコン...

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